デフレの正体

  • 2013.11.24
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数年前に結構売れたようですね。先日の里山資本主義を読み、最近プライムニュースでの話を聞き、この人は信頼できる人(稀な)人だと思い読んでみましたが、今のアベノミクスの力ずくなやり方で何故もう少し良い影響を与えられなかったのだろう?つまり本当の解決法がここにあるのに何故力ずくなの?という事。でもそれはどんな組織でも大きくなればなるほど逃れがたい「手段が目的化する」というのと「自己保身」というのが国家、それも特に日本ではどうしようもない程巨大化してしまっている事が裏返って見えて来ます。
「景気が良くなれば大丈夫、という妄想が日本をダメにした!」のは「経済は『人口の波』で動く」という本質を理解していないからという事なのですが、つまりまだ人口は減っていなくても「生産年齢人口」という実際に収入を得ていて、消費活動も盛んな層が団塊世代などがゴソっと定年する事で減り、それによって内需が落ちているのが原因なのに、更にコストダウンの為に給与を下げたりしている結果、さらに消費活動が低調になって、という悪循環を生んでいる。
喩えると、今の日本は肥満の老体。つまりエネルギーを消費する筋肉量が減っていて、でも脂肪という蓄え(高齢で動かないから消費されないけど巨大にある貯蓄)はあるところに、国の政策は点滴を打ち続けているようなもの。つまり筋肉がなければ栄養は消費されないし元気にもならない。そこで藻谷さんは、当たり前だけど筋肉量を増やさないと良くならないよ、と言っているだけといえばそうだけど、国は、日本は老体だと認めたく無い(僕らもそうだ!w)し、点滴を打つのが仕事だと思ってしまっているからやめる訳にもいかなくなってしまっている。
だから,具体策1として、「高齢富裕層から若者への所得移転を」つまり使えずに貯まっている脂肪を消費できるエネルギーに変えろと。2として「女性の就労と経営参加を当たり前に」、つまり外国人労働者を入れる(受け入れに様々な手間とお金がかかる)より桁違いに働いていない女性がいて、世界的にもみても多すぎるし、若年層を急に増やす事はできないので女性が働けばつまり筋肉になってもらおうよ、という事。3として、「労働者ではなく外国人観光客の受入れ」同じお金が動くでも輸出産業なんかよりずっと直接的に経済に貢献するし、日本はまだまだ努力も足りないのですべきだと。喩えたら筋肉増強剤?w
最近元気がない/代謝が悪い(景気が悪い)原因を外部に求めているのが今の日本で、そうじゃなくてアナタ単に歳とって筋肉量が落ちているだけよ!という原因から目をそらしてサプリ飲みまくっている、という感じ?
また、それでも今後の生産年齢人口の現象はどうしようもないくらいだから、一方では少ない筋肉により高効率に働いてもらわないと身体が持たない。つまり、今の何割増も給料を貰い(つまり使い)そのためにはもっと価値の高いものを生産しなければいけないのに、今の流れはコストダウンで中国に負けないように、なんて反対の事をやっているけれど、カリフォルニアワインも元々は評価されてなかったけれど、人手をかけて価値を今のように高めてきたような事に倣わなければいけない。
もう一つ、激増する高齢者への対応をどうするか?(ここは方向性だけで具体策はまた、という事ですが)、まずは余裕の有る高齢者への給付なんてやってる場合じゃなくなるから最低限の生活保護的なやり方で、そして年金は共済化して「幸運にも払い込んだ費用を使わずに健康に亡くなった場合には、残りは払い戻さずに、他の高齢者の為に全額使わせてもらう」事で生きている高齢者は守りつつ全体の支出を減らす。更に医療福祉は戦後の住宅供給と同じように、最低限は確保し提供しつつ、お金のある方には上のレベルの提供をする制度とする。
つまり、最低限は約束しますが、全員に一律で程々の対応をしてきた今までのやり方はとてもできません!というすごく受入れられにくそうだけど、至って当然だし、僕もそう思っていました。
そしてこれからの時代を、大変だなあーと考えるのではなく、今までは労働者が多すぎてそんな事できなかったけれど、これからは少ない人がより高い価値のものをつくるしかないし、それがやっとできる時代になったのだ!と前向きに捉えるべきだ、と結ばれていますし、僕も建築の世界に携わりつつ、本当にそうなって欲しいと思います。