ありふれないものを

  • 2009.09.19
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今日、静岡県住まいの文化賞で優秀賞というのを頂いて、表彰式に静岡へ行って来ました。
「住まいの文化」なる評価軸というのは、ちょっと独特で、選ばれたものたちも独特の巾を持っていて、それらと並べられた時に、いろいろと考えさせられました。
自分の価値観を変えられた訳では決してなく、逆に、自分がどこに価値観を置いているかを改めて考えさせられたというか。。
もちろん皆さんが皆さんの価値観で設計をしている訳だけど、結果それが多種多様だという事は、豊かな事だと思う。
でも、「ありきたり」というものに対しては警戒しないといけないと漠然と思っていたし、今日それを改めて意識しました。
つまり「ありきたり」であっては決してならなくて、もちろんそれは僕が建築設計をやっているからであって、ハウスメーカーやその辺りの営利目的の会社は結果「ありきたり」になるのは当然の事で、あんな数つくっているのにありきたりでないものを目指したら会社がつぶれてしまうでしょうね。
一方の僕たちの世界は「一期一会」のように、全てが一回きりの出会いが重なってものが出来てゆきます。
そして僕たち設計者は「表現」をする者であって、ある種の作家でもあって、だから、どこかで見かけたようなものを無批判に繰り返すようであっては、決して表現をする作家としては失格だし、存在意義は無いし、だったらメーカーに頼んだっていいんだと、僕は思っています。
でもでも、僕は決して「変わった」ものはつくりません。
ありきたりでないけど、変わってもいないもの。それを目指しているのかなと思います。
その理由は?と聞かれたら、ありふれたものも、変わったものも、時間の流れに耐えられないと信じているから。かな。
なんか抽象的だけど、多くの側面があるものから、何か大切な事を伝えようとすると抽象的にならざるを得ないですが、でもそれはそれで大切な事だと思うので、改めて考えたし、こうやって書いています。