深圳文化中心/磯崎新さん

  • 2008.04.02
  • BLOG


新建築4月号です。
建築としては、大味なだけで、なんで。。という感じですが、インタビューの中で磯崎さんが語られていた事が面白かったです。
上海に乱立したビル群を評して「大学の建築学科の2年生が描いた、できの良くないBマイナスぐらいのデザインが実際に建ってしまった」と語り、上海での評判を落としてしまったという話。
また、その原因は、中国にいまだに残る強い官僚機構の中で、建築家などの専門家は素材の準備だけして、市長などがそれを選んで決めてしまうような構造にあると思うと。
また、とても大きな商業化、消費化社会の波の中で、世の中の99%はそれに乗るしかないと考えて、であればいかにサーフィンするかが課題となってしまっているという意味では、ドバイもそうであり、でもそんな中でも残り1%の文化に理解のある人を見つけて建築をつくりたいと語っています。
アートなんかも、オークションでとんでもない値段をつけたりと、文化に対する正当な評価というよりも、お金の力で力づくに、という感じの世の中になってしまっている中で、「アイコン」としての独自な分かりやすさを勝ち得る事が、市場の評価となり、またそれを目指して建築家なんかもサーフィンしようとしている状況なようですが、「文化」としての建築を考えるのなら、恐ろしい事だな、と思います。
といっても日本の都市が良くならない理由も、結局市場の経済原理と、建築の専門家に決定権がない事にあるのであるなら、というよりそうだから、日本の都市もほとんどがBマイナスの建物が建ち並んでいるわけで、人ごとではない訳ではありますが。。