次の案でしたが

  • 2008.12.18
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僕がちょっと空気が読めなかったのか(^_^;)前回案をベースとした改良をすることになりました。
その敷地の中でどこまで、またどのように開いて良いのかというのはとても難しいところです。陽や風ならまだ読めても、近所の人びとのキャラクターや生活習慣などというのはずっと住んでいるからこそ分かる面があり、今回も建替えだからこそ聞く事ができる住まい手の気持ちというのがあります。(とても健全な事だと思います)
この案ではコの字に少し囲った落ち着きをつくったのですが、もっとおおらかに開きたいという事で、前回のL字がベターだという感じです。
最近特に思うのは、永続性というか、何か前提条件や社会や時代や価値観が変わっても、そこに在り続けることができるような存在というか、少し極端に言うと、ピラミッドや遺跡のように、当初の使い方が失われて、時代が遠く移り変わっても、人びとが残そうとする意志によって永々と残っているような、そんな存在を目指したいし、裏を返すと、目先の価値観に従いすぎて、遠い視線を持たずに形をつくってしまうという事が、結局建築されるものの寿命を短くしてしまうんだと思っています。
敷地がこういう形だからこうなっちゃった、使いやすさを考えたからこうなっちゃった、メンテナンスを考えたらこうなっちゃった、コストを考えたらこうなっちゃった、などという「こうなっちゃった」建物ばかりしかないような世の中でも、もちろんそれらの条件は良い形で考えながらも、「こうあるべき」と感じられるかたちを生み出すのが僕たちの仕事なんだと自分に言い聞かせて、安易に流れないようにしようと思っています。
未来への遠い視線は、過去への遠い視線を持つ事で得る事ができます。
だから昔の遺跡とかって面白いなって思って読んだり見たりしています。