広島2

  • 2009.01.04
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広島の続編です。丹下さん設計の平和記念公園の資料館のピロティから原爆ドームを撮ったところですが、良く知られるように、平和を象徴する軸線の構想、力強くピロティとして地面を解放する資料館、国家を象徴するようなプロジェクトを、とても象徴的な形でつくって来た丹下さんらしい空間です。
もう一つは、僕が好きな村野さんの平和祈念聖堂ですが、内部もじっくり感じてきました。丹下さんの何か強い「意志」を形にしようとする未来志向的な力強さと対比的に、過去や現実というものを村野さんなりに咀嚼して、今の時点でのあるべき姿を求めた結果として、逆に、時代が経っても色あせない、逆に時間がより魅力を与えてくれるような建築の在り方というのがとても好きなところです。
大学生の時の、もう15年以上前にどちらも訪ねた建築でしたが、実務者として建築に向かい合った後に、改めて訪れたいと思い行って来ました。

その勢いでというか、ここも実は同じ大学のときに、ないお金を絞って背伸びをして泊まったホテルだったのですがイルパラッツォという博多のホテルに再度泊まってきました。アルドロッシの設計で、繁華街の那珂川のほとりに立つ、こじんまりしながらも濃密なホテルで、当時とても親切にもてなされた記憶も再度泊まりたかった理由です。
竣工20年近く経つホテルで改修前だったこともあり、確かに古びた感じでしたが、さすがイタリア人建築家というか石や木などの素材をとてもシンプルかつ重厚に、良いプロポーションでデザインしているからか、良い歳の取り方をしていました。
この3人の建築家は、それぞれ背景に持つものも違いますが、過去への眼差しと、未来への眼差しとの向け方の違いが、建物が古くなるほどに現れてきているように思います。
丹下さんというのは、戦後の日本の復興や成長という特殊な時代を背景としていますが、そんな事はもうこの先ないと思いますし、やはり、きちんと遠い過去というものに眼を向けて、自分なりに受け止めたことを、建築という形として、過去への積み重ねというものをしてゆく事が、建築をやる人間の責務だと思います。
好きな建築は、こうやって、たまに改めて訪れてみるもの良いものですね。