二重らせんの二世帯

  • 2010.05.23
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中央の階段室まわりの木製窓ですが、外壁の下塗も終わり、建築らしくなってきました。入隅窓で小庇がついて、アルミサッシュでは決してこんなにすっきりとは納まりません。外部からは少しゴツく見えますが内部からはとてもすっきりするので、設計上も工事上も手間をかけてつくっています。
まあ、いつも言うように、さりげなく窓をつくりたいだけなのですが、さりげなく見せるためにはとても配慮が必要です。人間も自分勝手に生きていたらさりげなくは見えないかと(笑)
そう言えば、しばらく前に中学卒業以来に再会したOくん。あの頃は気が弱く不良にからまれてるのを助けたりしたっけ、そんな彼がとてもさりげないいい男になっていて、そのときもさりげないって大事だなあと思ったりもしました。
木製窓は手慣れてはきましたが、でも現場によって新たに検討したり確認しなければならない事も多く、もちろんそれ以外にも色々試みたりすると、やっぱり現場監理に費やす時間というのは結構な負担になってきます。が、そこで手を抜いたらおしまいなので、最後までネチネチやらなければ本当にさりげない良いものにはならないと思っています。
事務所をはじめて10年が過ぎたわけですが、未だに目先の事につねに注意していないといつコケるか分からないような緊張感の中で日々仕事をしています。もちろん事務所の経営はまあ大丈夫ですが、細かなミスをしないように、という意味です。
仕事をある程度マニュアル化しようとか、少しでも合理化出来るところはして、少しでも質を高めるゆとりをつくろうと考えてきましたが、なかなか上手くゆかず、建築って結局一つ一つ違うものだから仕方がないのかなあ、と思ったりもします。
でも、身を削ってでも、もっと良い仕事をします。