フィリップジョンソン

  • 2009.06.16
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2005年に99歳?で亡くなったアメリカのとても有名な建築家ですが、日本の一般にはほとんど知られてはいないかとも。。(長生きですよね〜)
ただ、建築の世界では何かと話題をつくった方なので知らない人はいない(はず)ですが、例えば今で言うモダニズム建築たちを「インターナショナルスタイル」と括って展覧会を開いた事でその後の大きな流れをつくってしまったり(悪い面もありますので)、その後ディコントラクテヴィズム展を開いた事で、「デコン/脱構築」と言われる流れをつくってたり(フランクOゲーリーの今の活躍もその影響にあるかと)、などなど。
なんでそんな影響力を持てたかというのは、彼は大学在学中に巨万の富を相続し、興味の赴くままに生き、またとても良い人脈を持つ事ができたのが大きな要因のようで、MoMAに出入りし、現代芸術を買い漁り、芸術家などたちと親しくしたりした事も要因なようです。
そしてその後建築家を志し、40くらいで初めて設計をし、43でこの雑誌に紹介されている、広大な敷地に建つ自邸(ガラスの家として有名)やギャラリーなどを作り始めます。それは本当に「道楽」と言えるような贅沢なものばかりですが、それも、その後の彼の活躍には必要な経験だったように思います。
先日書いた、細川護煕さんの茶室を設計した藤森さんもそうなんですが、僕たちみたいに、生活をかけて地道に設計に向き合っている者からみたら「反則だろ〜」と常々思うのですが、でも文化というのはそういった「余剰」の元に生まれるものだし、仕方ないかあ〜なんて自分を納得させるしかないですねえ。
と愚痴は良いとして、でもこの広大な自然の広がる敷地の中に、贅沢に、ひとつひとつ建てられた建築たちを見ると、本来建築が持っている「力」というのを素直に感じる事もできます。
裏を返すと、ほとんどの建築(建築とさえ呼べないものばかりですが)は、「現実」に建築の可能性を奪われてしまっているように思えます。が、、それでも粘り強く良い設計をすれば乗り越えられるものでもありますけれどね。。
まあでも、こういうのを見ると、ちょっと元気と勇気が湧いてきますね。
何でもそうですが、遠い世界の事だと諦めてしまえばそれで終わり!でも全てのものは「地続き」に繋がっていて、遠いと思われても、きっと到達できると信じていれば何かが変わるし、信じなければ何も変わらないんだと思います。