エゴの力/石原慎太郎

  • 2014.11.07
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出版後すぐ読む事は少ないけど、慎太郎さんは嫌いじゃないのと何となくタイトルにひかれ。。

「成功・不成功、勝利・敗北、人生を決めるのはエゴの力でしかありはしない。ならばエゴとは何なのか?それは人間の個性。その個性とは何なのか。個性とはその人間の感性が培うものでしかありはしません。」というまえがきに全ては表れていると思うし、僕も概ねそう思って行きて来たように思うんだけど、何故か読み進むうちに気持が悪くなって来た。
なんでだろう?と考えてみると、つまりは慎太郎さんは、学生の時にちょっと貧乏もしたらしいが、全然大した貧乏でもなく、基本的には王道を生きて来た上で、本書で「王道」を語っているだけであって、みんなが王様になる事はできないように、(上の意味での)エゴを持たなくてもより良い生き方だってあるはずなのに、そこは眼中にないし、それは落伍者と決めつけているようなところが気持の悪さだったのかもしれない。

サルトルの嘔吐を2度ほど引き合いに出して、そのエゴを押さえつけるような画一的な社会が吐き気を催させたと言っているんだけど、逆に、誰しもがエゴ(個性)を持つべきだという考え方には僕は逆に吐き気を催すかもしれない

40過ぎての僕の生き方の心境は「後世の肥やし」となれ。かなと読んでいて思った。
つまり、自分が花となり華やかな存在にならなくても、自分が生きた事で、誰かが、というか後世のみんなが花となれるような肥やしのような生き方ができれば、花として生きるのと負けないくらい価値も意味もある人生なんじゃないかなという事です。

あんたの生き方、決して肥やしには見えないよ、と言われそうですが、僕が設計したいと思うのは、少なくとも花ではなく(肥やしと言ったら施主に叱られるかw)せめて花や実を生み出す、葉、というところかな。

特に政治家なんてなんでもっとはっきりものを言わないんだ?という状況なので慎太郎さんの存在は僕は好きですが、かと言ってみんな慎太郎さんになったら、そりゃあ鬱陶しいでしょうwという感じでした。