きみがモテれば社会は変わる。

  • 2014.02.23
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タイトルがアホですが、宮台さんは権威的なものに対して平気で、アホとかクソとか言うので信用していますw

読めば分かりますがモテるための本じゃないし、今の日本はクソみたいな社会なんだとガッカリすると思うけれど、それを何とか変えるためにも、きみがモテるためにも、サブタイトルの「内発性」こそが重要だ。という話です。

アリストテレスが言ったという良い社会の定義は、「徳」のある者があふれる社会であり、その徳とは「内から湧き上がる力」それが内発性だし、その意味での良い社会こそ目標とすべきだと。

しかし特に日本はそれができて来なかったから「クソ」なんですが、何故そうなってしまったかというと、「任せて文句を言う」体質、つまり自分では何も考えたり行動したりするという自立性を持たない依存野郎だから、という事で、すぐに大きな声(経済だけを重視した政治や資本など)に疑問を持たずに信じてしまう。

その例として興味深い話は、かつて?流行った「スローフード」という言葉は「顔の見える範囲の人に向かってつくっているんだから、いいものをつくろう」そして「顔の見える範囲の人からいいものを、スーパーより少し高いお金を出しても買おう」という北イタリアから起きた運動だったらしいのですが、アメリカの巨大スーパーのウォルマートがその運動に恐れをなして「ロハス」という戦略で「巨大スーパーが有機野菜をつくりますからご安心下さい」と始めた者をアホな日本人は真に受けて、つまりスローフードの本質を全く失って表面のスタイルだけとして受け取ったと。

もう一つ興味深かったのは、何故環境を保護しなければいけないのか?に関し、アメリカのキャリコットという学者が「場所をひとつの主体としてとらえ、人を場所という<生き物>への寄生物だと考える。その上で<生き物としての場所>にとって自然なものを許容し、不自然なものを許容しない。そうすることで、単に人々のニーズに応える場所より、結果的に、そこに住む人々の<幸福と尊厳>を保つ事ができる」という考え方を提唱したそうですが、これは圧倒的に大切な考え方だと思いました。

まあそんなアホな日本人たちは「経済を回す」ことで結果「社会も回る」と信じているようだけどそれは無理で、だから結果、人口比、アメリカの2倍、イタリアの4倍の自殺者がいるのだ、というのはその通りだし、経済を回しながら社会も回す、つまり日本人がもっと「幸福」と実感出来る社会にするには、やっぱり「内発性」を備えないといけない、という事ですが、若い世代になるほどそれは失われつつあると宮台さんも嘆いてますが、その原因は、社会が多様化し過ぎて、なんか自分でなくてもいいじゃんという、つまり誰からも認められていないと感じやすい社会になってしまってきたからであるし、だからこそその認める(承認しあう)という事を取り戻してゆくためにも、スローフードの本質的な考え方のように、ある程度小さな地域での「共同体自治」が必要だという事です。
古書でほぼ送料で買ったのですが、面白かった。